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「男女差別訴訟」−「犬畜生に劣る母」?

 今年3月、「住友金属男女差別訴訟」大阪地裁判決があった。

 95年同社大阪本社で働く女性社員4人は、女性であることを理由に昇進や賃金で差別したとして、同社を相手取り損害賠償を求める訴訟を起こし、10年後の今年、大阪地裁は「男女間で能力評価に差別的取り扱いをして昇給、昇進を行っており、公序良俗に反して違法」と認定。6300万円の賠償を命じた。

 日本の厚労省が国内の企業に行った調査によると女性の労働者(正規社員)は全体の53%、そして係長以上の管理職における女性の割合は5.8%(03年)−男女雇用機会均等法が施工されて20年。会社における男女の格差は厳しい現実があることを如実に示している。

 そもそも、住友の女性たちがなぜ、裁判に訴えたのか。この会社の女性社員は結婚までしか働けないという習わしがあり、それを破ると会社ぐるみの露骨な差別が待ち受けていた。また、どんなに仕事で頑張っても「女はみんなC評価」だとされた。結婚後、突然、別の部署に異動させられ、丸1年半、まったく仕事を与えられなかったり、寿退社をしない女性が、新婚旅行を終えて出社したら机がなく、捜すと、廃棄物置き場の倉庫に捨てられていたことも。

 さらにひどい事例もある。出産後も保育園に預けて働こうとすると、上司から「犬や猫でも母親の手で子供を育てるのに、きみは子供を保育所に置いているのか。犬畜生にも劣る母親だ」と罵詈雑言を浴びせられたりもした。原告女性たちは「女性を人間として扱っていない」ことに憤激したのである。数々の嫌がらせにめげず45年も粘り強く闘った末の勝利。働く女性として、その不屈さを称えたい。(粉)

[朝鮮新報 2005.6.6]