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「反日」−日本メディアのゆがみ

 本紙前号で朝大の康成銀教授が、日本のメディアがゆがんで報道する朝鮮半島や中国の反日行動について、「これはナショナリズムの対立などではない。正義と不正義の衝突である」と述べている。卓見だと思う。

 侵略や大国支配に反対するナショナリズムやレジスタンスが他国を軍事攻撃し他国民を殺戮する帝国主義的な性格を持つ民族主義と同じであるはずがない。日本メディアのこの種のプロパガンダは、米欧の帝国主義が伝統的に使ってきた手口でもある。現代を代表する知識人、ノーム・チョムスキーはこう断言する。「我々や我々の同盟国に対するテロのみがテロであり、我々や我々の同盟国が他者にテロを行った場合にはテロにはならない。これは報復テロもしくは正義の戦争であり、野蛮人などに文化をもたらすもの」と。

 日本では今年の中学校教科書検定で「従軍慰安婦」と「強制連行」という言葉を抹消、激減させた。いかに歴史に嘘を注入することに腐心しているかをよく示している。彼らは侵略戦争中に行われたすべての行為は「野蛮人に文明をもたらしたものであり、合法的であった」と正当化したいのである。石原都知事や極右政治家たちの居丈高な発言は、彼らの精神世界をよく映し出している。

 こうした発言や大挙して靖国詣でを繰り返す国会議員たちの姿を見て、2千万人もの人々を日本軍によって殺されたアジアの国々が「日本の反省」を真にうけるはずもない。日本が「史実」を忘却させようとしても、被害者らはその悲惨な記憶をいつまでも語りついでいく。

 日本がアジアの隣人たちの信頼を回復する道は、植民地支配と侵略戦争に対する責任を明らかにする以外には残されていない。(粉)

[朝鮮新報 2005.5.9]