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憲法と女性の闘い−映像で見る20世紀の日本女性史

 日本の敗戦後、男女の平等と女性の権利を新しい憲法草案に書いたベアテ・シロタと、日本女性たちの運動を描いたドキュメンタリー映画「ベアテの贈りもの」が、30日から東京・岩波ホールほか各地で上映される。

 1945年GHQ民政局のスタッフとして来日し、22歳の若さで日本国憲法の人権条項作成に携わったベアテさんの草案は、第14条「法の下の平等」、第24条「両性の平等の原則」などに生かされている。

 映画には、その「贈りもの」を本当に自分たちのものにするため、長い時間と大変な努力をしてきた日本女性たちの苦闘の歴史が刻まれている。

 法が成立しても、実態は旧態依然のまま。女性に対する偏見も強かった日本社会の中で、女性たちは、あるときは自力で、あるときは国際的な女性たちの連帯で、あるときは法の力で、その苦難を乗り越えてきた。

 女性の地位向上への努力はたゆまず続けられ、後に続く女性たちのために道を拓いた。

 日本では今、あらゆる戦争の放棄を決めた憲法第9条の改悪と共に、男女平等を決めた第24条に対しても改悪の手がのびている。

 81歳になるベアテ・シロタ・ゴードンさんは映画の中で、「いま、世界はさまざまな戦争で荒れていて、とても平和とは言えないが、どの国においても女性たちは平和の考え方を持っている。たぶん子どもを産むからでしょう」と憲法9条と24条の大切さを説いている。

 女性を抑圧しようとする構造は、ひいては暴力や、戦争にもつながるものと考えられる。憲法改悪を反対する人びとの闘いにエールを送る。(潤)

[朝鮮新報 2005.4.25]