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今年も残すところあと3日。考えてみれば、例年この時期になると、こうした同じような文句を呪文のように唱えているような気がする。進歩がないのだろうか。それにしても時間の過ぎるのは早い。今年は総聯結成50周年を筆頭に、区切りの行事が多かっただけに余計にそうした感を強くする ▼振り返って地球上の動きを見てみると、天変地異のなんと多かったことか。地震に台風、そして年末に至っての寒波。自然災害とは別に、新型鳥インフルエンザの脅威にも直面している。一度どこかの国で流行してしまうと、航空網の発達した現在、飛行機を経路として感染はあっというまに各国に広がってしまう ▼地球社会に君臨していると自負する人類は、実は自然のなせる業には無力であることをあらためて思い知らされてしまう。地球規模の出来事には共同対処していくしか方途はないと思うが、残念ながら21世紀の今日に至っても実現はしていない ▼足下の日本社会を見回してみると、グローバリズム、そのための改革という響きの良い言葉を隠れ蓑にして、実は歴史という悠久の人の営みを無為にするような風潮がいっそう強まったような気がしてならない。明らかな後退である。超大国・米国への無批判的な追従、言い換えればアジアからの離脱だ ▼侵略への道へと本格的に乗り出そうとした明治期、米英に追いつけ追い越せを合言葉にした富国強兵政策を思い起こす。アジアを侵略しその栄養源にしようとした。さて来年は戌年。どういう1年になるのか。読者のみなさんの健康を祈ってやみません。(彦) [朝鮮新報 2005.12.27] |