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今年の世相を表す漢字は「愛」。「漢字の日」である12月12日に京都の清水寺で発表された。愛知での「愛・地球博」の成功、米国での大型ハリケーンやパキスタン地震被災民への世界的支援の広がりから愛の尊さを感じさせる出来事が多くあったからだという。昨年は災害が相次いだ年を反映して「災」が選ばれていただけに、今年の「愛」は何だかホッとさせてくれる。とはいえ、「愛」が足りない事件が相次いだことも反映して選ばれたそうだから、ホッとしてばかりもいられない ▼ところで、なぜ12月12日が「漢字の日」なのか。一人ひとりが毎年「いい字」を少なくとも「一字」は覚えてほしいという願いを込めて、主催者側が定めたそうだ。だからこの日にちなんで今年の漢字が選ばれるという ▼そこで朝鮮半島と在日同胞社会にちなんだ今年の漢字一字を独断で考えてみた。「和」。平和、和解、和合、融和、緩和…と「和」には「のどか、おだやか」という意味から発展して「仲良くする、争わない」などの意味があると辞書にはある ▼こう着状態にあった北南関係は13カ月ぶりに和解。その後は、さまざまな局面で調和のとれた関係が演出された。6者会談でも朝鮮半島の非核化を目標にした共同声明が採択された。この声明が現実のものになれば朝鮮半島には間違いなく平和が訪れることだろう ▼そして同胞社会。総聯結成50周年の式典に集まった同胞たちの顔は実に和やかだった。そんな「和」の「輪」をこれからもどんどん広げるために、本紙が果たすべきことは少なくない。(聖) [朝鮮新報 2005.12.15] |