top_rogo.gif (16396 bytes)

春・夏・秋・冬

 「北南経済協力と交流を通じて、われわれを内部から瓦解させようとする企図を露骨に追求している」。祖国平和統一委員会(祖平統)スポークスマンがこう非難している対象は鄭東泳・統一部長官の発言である。同長官はさる11月23日にソウルで行われたフォーラムでの講演で、「北がベトナムのように進むこと」を望むと発言した

▼統一費用と関連した企画予算処長官の発言も手厳しい批判を浴びた。「吸収統一」をした場合、莫大な費用がかかるので財政的には耐えられないだろうと語ったのだ。「『吸収統一』を既成事実にしている南朝鮮当局の下心を露にしたもの」と祖平統側が指摘するのも仕方あるまい

▼昨年の金日成主席逝去10周年を機に冷え切っていた北南関係は、金正日総書記と鄭東泳・統一部長官の「6.17面談」で完全に修復した。いまやこれまでの常識を超えた出来事が次々実現しているのが、北南関係の現場だ

▼祖平統スポークスマンはこう指摘する。「北南間の経済協力と交流は、互いに相手側の思想と体制を認め合い、『わが民族同士』の理念に沿って共存共栄するための民族共同の事業である」。だからこそこの5年間、多方面にわたる交流、協力関係を中断なく続けてきたわけだ。そういう観点に立つ時、「吸収統一」や「体制の変化」について論じること自体が筋違いだ、というのが北側の言い分だろう

▼今月中旬には済州島で閣僚級会談が開かれる。南側首席代表の鄭長官に対し、北側はどんな対応を見せるのか。その前に釘を指したものとも解釈できる。(聖)

[朝鮮新報 2005.12.3]