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春・夏・秋・冬

 ブッシュ大統領は、16日の小泉首相との会談で「日米同盟は不可欠」と強調した。これに対して小泉首相は、対米関係は「日本にとって最も重要だ」と応え、「日米関係がよいからこそ中国、韓国、東南アジア諸国連合諸国、すべての国とのよい関係が維持されてきている」と新しい論理を披瀝した

▼かつて、小泉首相の属す派閥の領袖だった福田元首相と理念的には近かった中曽根元首相は、厳しい米ソ冷戦時代のさなか、レーガン大統領との首脳会談席上、ソ連を念頭に置きながら「日本列島は浮沈空母だ」と語ったことがある。もし米ソ戦が勃発したら「不沈空母日本」が攻撃と防御の盾になるという意味である。その後、軍備増強に拍車がかかり、米日軍は統一の取れた一つの軍隊へと変貌していった

▼小泉首相の頭の中に中曽根元首相の発言があったのかどうか、定かではない。しかし、今回の首脳会談で米日の軍事力を背景に、両国同盟協力を世界規模に拡大する方針を確認し合った。対ソ戦の「不沈空母」から地球規模への「不沈空母」への拡大である。だから、その最重要基地である沖縄の米軍基地を手放さないのであり、神奈川・座間に朝鮮戦争の戦闘を担った第1軍団を改編した司令部を持ってくるのだ

▼こうして見てくると、両首脳の一連の発言は中国をはじめとする各国に対する軍事恫喝に他ならない。小泉首相の、「米国との同盟関係強化が他の国とのよい関係を維持する」との発言の真意は逆だ

▼だが事はそう単純なものではない。おごる者久しからず、が歴史の必然。手痛いしっぺ返しを受ける時が来る。(彦)

[朝鮮新報 2005.11.19]