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3日から約1年ぶりに、北京で朝・日政府間対話が再開された。今回の対話は、第4回6者会談共同声明にも明記されているように、日本側が拉致問題一本やりの姿勢から平壌宣言履行の意思を再確認し、合わせて会談の過程で対話再開の必要性について言及したことなどから実現した ▼さらにいうなら、全面解決を見るまでにはまだまだ越さなければならないハードルはあるものの、朝・米核問題が解決の方向に向けて動き出したことが日本を対話再開へと向かわせたのである。対話では、具体的な実りは得られなかったものの、引き続いて対話を行っていくことで合意した ▼日本の報道はあいも変わらず拉致一辺倒だが、9日から第5回6者会談が予定されていることを考えた場合、旧態依然とした時間を止めたままの思考による報道は、日本の世論に誤った認識を植えつけることにしかならない ▼同じようなことが外務省の思考にもいえる。今回の対話について新任の麻生外相は、6者会談が行われているなかで「日朝がフライングをするわけにはいかない」と発言した。対話はやるが前進させないということなのだろか。いずれにしても前進的な発言ではない ▼その6者会談は、第5回から共同声明の内容を詰めていくことになる。皮肉にも、状況はブッシュ大統領がもっとも毛嫌いしていたクリントン政権時代、2000年の朝米共同コミュニケ発表時と似ている。朝米には過去の問題が存在しないだけに進展すればスピードは速い。そうなっても日本はフライングを恐れるのだろうか。(彦) [朝鮮新報 2005.11.5] |