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中国の胡錦涛国家主席の訪朝が公式発表された。21日の朝鮮中央通信は「金正日総書記の招請によって、28日から30日まで公式親善訪問する」と報じた ▼胡主席の訪朝は、すでに第4回6者会談での「共同声明」発表を受けて一部で取り沙汰されてきた。「共同声明」は、大きくは朝鮮の自主権を米国が認定。そして、具体的に朝鮮の「核平和利用権」「軽水炉保有」要求を飲んだ ▼94年の朝米基本合意文を踏襲しているとはいえ、そのクリントン前政権の政策を根底からくつがえし、軍事力を背景に「第2のイラク」を演出しようと虎視眈々と構えてきた米ブッシュ政権の野望をくじく結果になっただけに、朝鮮側の「外交勝利」であることは明白だ ▼その過程で、司会者を務めた中国政府の果たした役割の大きさも、これまた誰しもが認めている点である。米紙報道などによると当初、朝鮮の「核平和利用権」、とくに「軽水炉」という言葉の明記に米代表団は同意できないと、強い難色を示したという。ライス長官の反応はとりわけ強固で、そうした米国を説得し強硬姿勢を転換させることに中国は一役を買った ▼今回の胡主席の訪朝は時期的に見ると、第5回6者会談、そして第4回6者会談で合意した朝・日政府間協議再開の前に当たる。第5回会談以降は「共同声明」の内容を一つ一つ詰めていくことになるが、朝中一体感を誇示することになる胡主席の訪朝は米国に大きなプレッシャーとなることはまちがいない。さらには、小泉首相の「靖国」参拝によって孤立感を深める日本にとっても。(彦) [朝鮮新報 2005.10.23] |