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春・夏・秋・冬

 まさに急襲だった

▼本紙編集局の記者たちがほぼ顔をそろえ、さあ、仕事にかかろうかとした14日朝9時少し前、1階ロビー受付から異常を告げる緊急の知らせが届いた。階段を急いで駆け下りて受付に行って見ると、玄関めざして胸に「警視庁」のゼッケンを付けた一群の警官たちがどっと押し寄せて来るではないか。なぜ朝っぱらから警官が、と思ったが、そのうちにもどんどんと会館内になだれ込んで来ようとする

▼説明を求めると、令状をさっと示して強制捜索すると一言。弁護士が来るまで待てと迫るが、必要ないと、その後は貝のように口を閉ざしたままエレベーターで上階を目指そうとする。押し返そうとする会館内の職員、本社記者。シャッターを閉めようとすると、入口で一歩も引かぬ構えの屈強な機動隊員が素手でシャッターを押し戻し、その力によって破壊されてしまった。後の展開は本紙で報じた通りである

▼捜索は科協会員の「薬事法」違反容疑の口実で行われた。しかし外事課の指揮の下、車両20数台、百数十人もの機動隊を動員してチェーンソー、斧まで準備。出版会館前の通りを完全封鎖、会館内と外部との往来を遮断、職員らを軟禁するかのようにして強行された捜索は、朝鮮人敵視から出た弾圧以外の何ものでもないことは明白だ

▼あるテレビ局は中継で、出版会館全体が容疑の対象であるかのように「全容解明」云々と発言、職員らから激しい抗議を受けた。何が法治国家、「煮て食おうが…」という植民地統治期の思考そのまま。そして、小泉首相は17日「靖国参拝」を強行した。(彦)

[朝鮮新報 2005.10.18]