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春・夏・秋・冬

 繰り返し指摘されてきた日本の敗戦から60年の今年、戦没者や台湾人遺族、被害者らが小泉首相の「靖国神社」参拝を憲法違反だとして訴えていた裁判の判決が先月30日、大阪高等裁判所であった。判決は精神的苦痛に対する慰謝料請求は退けたものの、小泉首相の「靖国」参拝そのものについては違憲とした

▼実は、小泉首相の「靖国」参拝についてはすでに東京高裁の判断もあり、こちらは「合憲」とした。東西の高裁で判断が分かれたことになる

▼大阪高裁は違憲判断の理由として、小泉首相のこれまで3回の参拝によって「国は靖国神社との間で特別の関わりを持った」。そして「特定の宗教を助長」「(靖国参拝は)憲法が禁止する宗教的活動にあたる」ことなどを挙げた

▼この大阪高裁の判断に対し小泉首相は不快感を表明し、首相補佐官は「年内参拝の支障にはならない」と強弁した。三権分立の日本において、司法の判断に内閣首相が「不快感」を表明するということは、あからさまな三権分立の侵害だという指摘が各方面から行われた。その一方で、司法判断が大阪と東京で、それも高裁で両極端に分かれたことについて、「靖国」参拝推進派は、小泉首相の参拝に当為性を付与し、後押ししようとしている

▼朝鮮、中国などの被侵略民からすれば、かつて侵略戦争の精神的支柱として、さらには兵士とその家族を「死んで英霊に」と鼓舞した「靖国神社」を、侵略国の最高権力者がおぞましい侵略の過去を清算もせずに参拝すること自体、絶対に受け入れられないことである。(彦)

[朝鮮新報 2005.10.6]