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春・夏・秋・冬

 「この戦争に大義はない」。テキサスで自営業を営むある米国人男性はこう強く主張した。24日、ワシントンやロンドン、ソウルなどの主要都市で、イラクからの米軍などの撤収を求める大規模な反戦デモ、集会が開かれた。前述の男性は甥をイラク派兵で失った。

▼CNNなどが先日3日間にわたって行った調査によると、イラク派兵が誤りだったと答えた人は過去最高の59%に上った。ハリケーン対策が遅れたこともあって、イラク戦費を削ってまかなうべきだとの答えが大勢を占めている

▼この欄でも繰り返し述べてきたが、ブッシュ政権がイラク侵攻の大義名分とした大量破壊兵器はいまだ見つかっていない。にもかかわらず、なぜ米軍がいまだに駐留し続けねばならないのか。ソウルの集会でも、「イラクに米軍が侵攻してから2年半。この侵攻が正しかったと言える人間は一人もいない」との声が出た

▼どう考えても大義のない戦争。その戦争に肉親を奪われた怒りを、ブッシュ政権に直接向ける人々が増えている。ワシントンで開かれた反戦集会も、参加者の中心は戦死した米兵の家族や帰還兵だ。肉親を殺され、あるいは自分が言葉にも言い尽くせぬ恐怖を味わったからこそ、逆にもうこんな戦争は終わらせるべきだ、イラクから即時撤退すべきだと考える

▼しかし昨今、どうも実際に戦争体験のない人たちに限って、「勇ましい」言動が目立つような気がしてならない。本当に平和を望むなら何をすべきか、実際に戦争を体験した先人から学ぶべき点も多々ある。(聖)

[朝鮮新報 2005.9.27]