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春・夏・秋・冬

 2003年4月から始まった朝鮮政府とブッシュ米政権との核対話。4回の6者会談の末に今回、共同声明を発表するに至った。敵視政策の放棄と信頼関係の構築という、表裏の関係にある原則を盛り込んだ。そして、声明を具体化するための実質的な協議は次回、11月からの第5回6者会談から始まることになった

▼今回、共同声明には朝・日平壌宣言の履行についても明記された。「不幸な過去」「懸案憂慮」事項の解決、そのうえでの「関係正常化のための措置」を講じることになった

▼前者はいうまでもなく、日本の不法、不当な朝鮮植民地支配の清算(謝罪と補償)を指し、後者は(佐々江日本外務省アジア大洋州局長によると)「核、ミサイル、拉致の包括的解決」となる。両者が今後の朝・日協議において並列的に取り扱われるのか、「先過去清算、後懸案憂慮解決」となるのか、いずれにしても騒ぎ立てられているような「拉致」問題が単独で提起されるような事態が生まれるようなことはなくなった

▼しかし、日本の評論家たちの発言を聞いていて(その他の論調もだが)、6者会談共同声明の中に平壌宣言履行問題が明記されたことによって、朝・日交渉の次元が変わったことを理解している向きがほとんどいないことに驚いてしまう

▼6者会談の共同声明に盛り込まれたのだから、当然今後は日本独自の判断で「拉致」問題で騒ぎ立てて朝・日交渉を中断するとか、経済制裁をするとか、そういうことはできなくなった。5者の同意が必要になったのである。平壌宣言の履行あるのみなのだ。(彦)

[朝鮮新報 2005.9.24]