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春・夏・秋・冬

 「水害が起きた時、北が送ってくれた米のおかげで私たち一家7人が1カ月間生き延びることができた」。京畿道平沢市で農業を営むホン・ハンピョさん(73)がこのほど、米1千俵を北に送った。息子、ソンドンさん(40)は父親が長年の願いを適えられほっとしたようだと語った。この話を伝えた連合ニュースによると、農民が個人の資格で北に米を送るのは初めてのケースという

▼ホンさんが北への支援を決めたのは、1984年の洪水で被害にあった際、北から送られてきた米のおかげで一家が生き延びたからだという。当時、低地にあった自宅と田畑はすべて浸水したという。「あの時、被災民を助けるためにと北が米を送ってくれたことがどんなにありがたかったか。今は逆に北が食糧難にあると聞いて、いつかはお返しをしたいと思っていた」

▼ホンさんは自家で収穫したものに、他の農家から購入した分も含め1千俵を準備した。市価1億7千万ウォン(1700万円)相当にのぼる。この「統一米」、北へは25トントラック4台に積まれ、9日に送られた。高齢のホンさんに代わって、ソンドンさんが同行した

▼84年に南で水害が起きた際、北の支援米を送った映像は何度も見てきた。だが、実際にそのおかげで助かった人がいたことを知ったのは初めてだ。しかも、21年後にその恩を返すべく、今度は南から支援米が送られた

▼もうすぐ8月15日。解放の喜びに浸る間もなく、祖国は分断された。それから60年。同族のきずなを示す「ちょっといい話」にめぐり合ったのは偶然か。(聖)

[朝鮮新報 2005.8.11]