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先月末、クリントン政権時代に国務省の北朝鮮担当官を務めたキノネス博士が来日した。大学での講演やテレビ出演など、相も変わらず忙しい日程。折り悪く、6者会談再開と来日時期がぶつかっただけに、どの場所でも質問攻めにあっていたようだ ▼その多くは、決まって「今回の6者会談はうまくいきそうなのか」という点。「あなたはどう思うのか」と反問しながら、これまた決まって笑みを浮かべながら「うまくいくに決まっている」と、外交儀礼的に「楽観論」をひろうしていた ▼今会談の特徴というか、第3回会談との違いについて「それは、南北の『わが民族同士』が明瞭になったことだ」と指摘。第3者から見ると、「米韓日同盟に亀裂が入り、南北同盟が強固になった」と映るのではないかとも ▼南で対反北報道の先頭に立つ朝鮮日報(7月29日電子版)がおもしろい記事を掲載している。見出しは「韓米日がギクシャク 『緊密な協力』は死語?」。とりわけ「すでに韓日は協力関係とは言いがたい。両国は北京(6者会談)でたった一回の公式協議を行っただけだ」と指摘。さらに「日本が『拉致問題の提起に韓国が理解を示した』と明らかにすると、韓国側当局者は直ちに『日本側の主張は、韓国の立場をまったく反映していない』と反論」。さらに「日本とは会っても話すべきことがない」との当局者のコメントを紹介している ▼「韓米日同盟」支持、推進の同紙だけに読者に危機感を煽ったのか。おかげで、日本のマスコミが伝えない6者会談のもう一つの側面を知ることができた。(彦) [朝鮮新報 2005.7.30] |