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春・夏・秋・冬

 日本の敗戦から60年。月刊誌「世界」8月号は活発になる日本憲法改正の動きと関連して、後藤田正晴元官房長官と評論家で作家の加藤周一氏との対談を掲載している。見出しは「歴史に正対しなければ未来はない」

▼「歴史に正対」とは、「(日本は)侵略の歴史とまっすぐに向かい合わなければならない」ということである。これまでも、侵略の歴史を直視せず棚上げにしたままの憲法改正に警鐘を鳴らし、侵略の加害者としての自覚を促し、その認識に基づいた国造り=憲法論議を主張してきた重鎮の対談だけに、内容は非常に濃くかつわかりやすい

▼「靖国神社」参拝の理由づけとして、小泉総理は国会答弁で「罪を憎んで人を憎まず」という孔子の言葉で正当化したが、これについて後藤田氏は、被害者が言うことであって加害者が言う言葉ではないと一蹴。「過去の歴史に正対することすらしない」「そういう意見が国会の場で横行するようになっては、日本という国の道義性、倫理性、品格というか、それすら私は疑う」と厳しく批判。加藤氏は、このままいけば日本の未来はない、とも指摘する

▼朝米核問題協議のための6者会談再開合意、6.15宣言の実現へスピードを上げる北南と、日本の周辺状況は一変しつつある。しかし、平壌宣言の履行はおろか、いまだに拉致問題だけに血道を上げる

▼「世界」には、「横田めぐみさん遺骨鑑定問題」と関連、日本政府が「ニセモノ」と断じた背景に何があるのか、「すべての情報の公開を」求めた野田峯雄氏の力作も掲載されている。ぜひ、一読を。(彦)

[朝鮮新報 2005.7.14]