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春・夏・秋・冬

 米国の著名なキリスト教伝道師、ビリー・グラハム師が6月24日から3日間、同国では最後とされる大規模な伝道集会を行った。会場には、世界から延べ23万人の信者が詰め掛け、説教に耳を傾けた

▼グラハム師との出会いによってブッシュ大統領がアルコール中毒から立ち直り、以後、深い関係を築いてきたことは広く知られている。ただ、政治とは一定の距離を置き、共和、民主に関わらず歴代大統領とは親交を結んできた

▼これまでに180カ国以上を訪れているが、92年3月には平壌を訪問、金日成主席と会見している。席上、当時のブッシュ大統領の「米朝関係正常化を支持する」との口頭メッセージを伝え、これに主席が「両国間の関係増進を希望する」との返答を託した。以後、金容淳党書記の訪米、カンター国務次官との会談へと発展、朝鮮各界の人士、芸術団などが在米僑胞団体に招待されるなど一時的ではあったが「雪解けの」時代が訪れた。ちなみに同師の2人の子息も95年、00年、02年とそれぞれ訪朝している

▼核問題を巡り、朝米関係が転換的な局面にある現在、グラハム師やカーター元大統領のような人物の橋渡しも必要だろうと思う

▼8日からのライス国務長官のアジア歴訪と時を同じくしてラントス民主党議員が2度目の、そのあとにはリチャードソン・ニューメキシコ州知事の訪朝が予定されている。後者は96年の訪朝以後、朝米関係が緊張するたびに平壌との交渉の窓口になってきた。核、6者会談再開は山場にさしかかっているような気配である。(彦)

[朝鮮新報 2005.7.9]