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春・夏・秋・冬

 先日、訪日したケリー前米国務次官補が朝・米核問題と関連して、国会与野党関係者やマスコミの要請に応じあちこちでいろんなことを話した。いうまでもなく同次官補は6者会談の米国代表だった

▼彼の発言の最たるものは、すでに3種類の核を朝鮮が保有していると断じたものだった。その3種類とは、94年の朝米ジュネーブ合意以前のプルトニウム、Aそれ以後のプルトニウム、そしてB濃縮ウランによるものだという。核問題の現状からすれば、誰でも口にできる事である。なのに、わざわざ彼が訪日して発言した点に政治的な背景を感じ取ってしまう

▼そのBの、濃縮ウランによる核兵器開発と関連し、米国務省の通訳として勤務していた金ドンヒョン氏(69)の証言が米国内で物議を醸している。金氏は2002年10月、大統領特使として訪朝し「濃縮ウラン開発を朝鮮が認めた」と発表、ブッシュ政権が重油提供中断の根拠にした姜錫柱第1外務次官とケリー次官補会談の時も通訳に当たった

▼当時を回顧して金氏は、「米国は北の濃縮ウランプログラムについて決定的な証拠を提示しなかった」と発言。これまでは、ケリー次官補がパキスタンから秘密裏に輸入した遠心分離器の「送り状」などの証拠を姜外務次官に突きつけ、姜外務次官が事実を認めたと説明されてきた

▼金氏の発言が事実なら、現在まで続く核危機はブッシュ政権が意図的に作り出したということになる。ここであらためて思うのは、ブッシュ政権がこれまで証拠を公開してこなかったこと。やはり裏がありそうだ。(彦)

[朝鮮新報 2005.6.25]