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「本格的な南北自治体交流の幕開け」−。先月末から安市長を団長として訪北し、2014年のアジアオリンピック大会の平壌市との共同開催など、5項目で合意した仁川市代表団の成果は、南朝鮮内部で驚きを持って受け止められている。自治体同士の話とはいえ、北南にまたいで国際的なイベントを開催しようというのだから、実現すれば朝鮮半島はもとより北東アジア地域の平和と安定に資することは多言を要さない ▼安市長は、北南交流、協力に批判的なハンナラ党所属の政治家である。その安市長が党の方針とは別に北南交流、協力、すなわち6.15共同宣言の正当性に気づいたのは、昨年6月に仁川市で開催された「わが民族大会」の過程を通じてだった ▼今回の訪北実現には、安市長と共に訪問した「わが民族1つになるための運動本部」の働きが大きかった。「大同江子どもパン工場」の建設など、民族的な次元からの対北支援、とくに子どもたちに対する支援事業に尽力してきた同本部が仁川市と北との間のパイプ役となった。北側との実務接触は昨年12月から、9回に上る ▼安市長によると、楊亨燮最高人民会議常任委員会副委員長は面談の席上、「象徴的な北南統一運動を開拓していくうえで、牽引車になってほしい」と同市長に委託した ▼合意したからといって、そのまま実現するものではない。合意を一つひとつ実践していく事が求められる。民族共助の理念のもと、今回の動きが他の自治体が行っている支援の交流事業への拡大、6.15宣言推進への契機になるよう願う。(彦) [朝鮮新報 2005.6.7] |