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春・夏・秋・冬

 米国防総省(ペンタゴン)は5月25日、朝鮮戦争時に朝鮮国内で死亡、行方不明になった米兵(MIA)の遺骨捜索を急きょ、中断すると発表した。この作業は、朝米両軍当局の話し合い、合意によって人道事業の一環として1996年から行われてきた。これまでに220余体を発掘、25体の身元が確認された

▼今回、米国が突然作業を中断した理由について担当部署の米太平洋軍スポークスマンは、朝鮮に派遣された調査団と米本国との連絡が十分に行えない状況があるなどと説明。「(朝鮮側が)適切な環境を作ったあと、調査を再開する用意がある」と、指摘している

▼核問題など政治的な背景はないという事らしいが、実際はそうではないようだ。ワシントンの消息筋の見立ては@朝鮮人民軍に捜索協力費として米軍から支払われている資金の遮断(これまで10年間の累計は1500万ドルになる)Aもしも、核問題が緊張した場合、捜索作業に従事している米軍関係者が人質として抑留されかねない−などを恐れた結果だという

▼そのことを裏付けるように、ペンタゴンのスポークスマンは「北の6者会談未復帰、核兵器開発宣言、核拡散防止条約脱退などによって生じた環境」を直視したものであることを示唆した

▼そもそも米兵遺骨捜索作業は90年代初、死亡米兵の遺族たちが当時の金永南外交部長に要望。朝鮮側が人道主義の立場から受け入れて実現した。人道問題にも政治を介入させるということになれば、真正面からぶつかりあうほか、対話の道はなくなってしまう。(彦)

[朝鮮新報 2005.5.31]