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春・夏・秋・冬

  空いた口が塞がらないとはこのことだ。自民党の代議士が、A級戦犯は「罪人ではない」と発言したのである。発言の主、森岡厚生労働政務官は、極東軍事裁判が「平和や人道に対する罪を勝手に占領軍が作った一方的な裁判」だとして、前述のように述べた。これに対し、細田官房長官は、「極東軍事裁判などは政府として受け入れている。政府の一員として話したということでは到底ありえない」と、個人的な発言である点を強調した。だが、民主党は罷免を要求する方針だ

▼小泉首相の靖国神社参拝問題に関する発言が北南朝鮮や中国を刺激し続ける中で飛び出したこの発言。不用意に出たものとは到底思えない。「神の国」発言で物議を醸した森前首相が同じ日に、靖国参拝に関する中韓の批判を「いちゃもんもいいところだ」と語ったこととも流れを一つにしているからだ

▼日本は現在、国連安保理常任理事国入りを目指しているが、中国や北南朝鮮などはこれに反対している。日本側は過去を十分に反省したからいいではないか、というが、A級戦犯を「罪人ではない」と発言する政治家の存在をどう説明するのか

▼どうも最近、中国や朝鮮に対してわざとケンカを売るような政治家や官僚の発言が目立つ。外務省の谷内事務次官の発言もその一つだが、これらは偶然同じ時期に出ているのか

▼日中韓の関係悪化を一番喜ぶのは果たして誰なのか。東アジア共同体構想が言われる中で、それを、というか中国の台頭をおもしろく思わない存在が太平洋の向こうに見え隠れする。考えすぎだろうか。(聖)

[朝鮮新報 2005.5.28]