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春・夏・秋・冬

 モスクワで開かれた欧州での第2次大戦終結60周年記念式典。米、仏大統領や独首相ら各国首脳に混じって小泉首相も参加した

▼日本にとっては、侵略戦争敗戦から60年を意味する今年、自国の戦争責任についてはまったく清算してこず、わい曲歴史教科書問題など、今なお北南朝鮮、中国などから厳しい批判を受けている小泉首相が、どういう思いでこの式典に参加したのか、その心中を知りたいと思った

▼同じ侵略の敗戦国としても、今なおナチス・ドイツの犯罪を追及して過去の清算に取り組み続けている独政府の対応と日本のそれはよく比較される。しかし、雲泥の差という距離感ではなく、罪を犯したことに対する自覚が違う

▼「『ナチスの蛮行はヒトラーがやったこと』と単純に済ませれば、大戦からの真の教訓が得られない。慎重に、かつ誰からの批判にも耐える形で、あらゆるタブーや微妙な問題も議論を重ねていくことが、戦後60年の課題だ」。ポーランド在住ドイツ人作家の言葉だ(朝日新聞5月10日付)。続けてこうも指摘する。「日本に意見するつもりはないが、…過去の克服は最重要テーマであるはずだ」

▼作家という視点だけでなく、市民としても当たり前の考え方であるはずだが、この日本(いや、日本政府)ではそのような当たり前、かつ普遍的な思考が通用しない。過去をひきずったまま、「敵国条項」が存在するにもかかわらず、今やなんと国連安保理常任理事国入りまで宣言している。厚顔無恥とはこのことだろうが、このまま放置してはならない。(彦)

[朝鮮新報 2005.5.14]