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春・夏・秋・冬

 認知症(痴呆症)の姉妹を相手に、複数の業者が不必要なリフォームを施していたという話が先日あった。数千万円あった貯金通帳が空っぽになっただけでなく、それでも払いきれずに自宅が競売にかけられていたという。高齢であるうえに認知症で、しかも女性の2人暮らし。弱者が標的にされた典型的なパターンといえる

▼こういう話に接すると、どうしようもなく暗い気持ちになる。そこまでして金儲けがしたいのかと。幸い、姉妹の住む市では、支払ったお金を取り戻すべく動き出したようだが、そういう善意の人たちも周りにいることに安堵感を覚える。しかし、オレオレ詐欺に振り込め詐欺…。何ともせちがらい世の中になったものだ

▼日本社会の高齢化はますます進んでいる。最近では、介護に疲れた子が親を殺害するといういたましい事件も起きている。この問題と関連して、先日、ラジオで専門家が話していたところによると、殺人にまで至ってしまうケースは女性より男性の方が多いそうだ。女性には子育ての経験があるというのが主な理由

▼なるほどと思ったのはもう一つの説。男性は、介護と言っても仕事の延長と考えてしまうことが多い。そのため、きちんとしたスケジュールを立てて、それをうまくこなせなければイライラしてしまう

▼もちろん、それだけでなく、千の家族があれば千のケースがあるのが介護。筆者も高齢の祖母を介護した経験から、そのたいへんさはわかっているつもりだ。だからこそ、肩の力を抜くことの必要性を肌で感じる。一人で悩まないことも大切だ。(聖)

[朝鮮新報 2005.5.12]