|
「彼は上司にへつらい、部下には当たり散らす究極のタイプ」。この言葉に、「もしや自分のことか」と思い当たった人は気をつけたいものだ。だが、これは米国の次期国連大使に指名されたボルトン国務次官に対するものなので、ひとまずご安心を ▼前述の言葉は、同じ時期に国務省に勤務していた同省情報調査局担当だったフォード元国務次官補が述べたもの。ボルトン氏の国連大使就任の是非を問う上院外交委員会で語ったもので、当時、ボルトン氏が同省の情報分析官を不当に解任しようとしたことについて指摘した ▼ボルトン氏への批判はこれにとどまらない。氏が過去に「(国連の建物の)38階のうち10階ほどがなくなっても構わない」と発言したことなどを挙げ、民主党議員らから強い反発が出ている。どうも、公聴会もなしにスムーズに世銀総裁就任が決まったウォルフォウィッツ氏とは同じようにいかないようだ ▼しかし、「上司にへつらい…」という言葉には考えさせられる。これは何もボルトン氏に限らず、部下を持つ身としてはつねに戒めねばなるまい。氏は「職権濫用の常習者」とまで言われたが、ひと事とは思わず自らを振り返る機会にしたい ▼時はおりしも入社シーズン。期待と不安を胸に、今年も多くの社会人が誕生した。各地の総聯機関にも未来の同胞社会を担う若者たちが入ってきた。常に彼らから尊敬され、彼らの目標になるイルクン(活動家)を目指すことが、すなわち、後輩たちを育てることにつながる。後輩は先輩の背中を見て育つものだからだ。(聖) [朝鮮新報 2005.4.16] |