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春・夏・秋・冬

 日本自衛隊が93年末から94年にかけて、朝鮮のミサイル基地を「先制攻撃」する作戦を検討、攻撃のシミュレーションをしていた事実が明らかになった。大野防衛庁長官は8日、記者会見で事実を認め、「理論的に敵基地攻撃ができるとしても、そういう能力を持つべきではないし、現在も持っていない」と釈明した

▼93年末〜4年といえば、読者の記憶にもしっかりと刻み込まれているだろうと思う、米クリントン政権の第1次核危機の時期である

▼クリントン政権は、朝鮮の原子力施設が集中している寧辺一帯への空爆など軍事攻撃を検討。しかし、シミュレーションの結果、米軍に数千の死者が出るという結論になって軍事攻撃計画を断念、中止した。カーター元大統領訪朝、金日成主席との会談を経て危機は回避され、同年10月の朝米基本合意文調印へと、平和解決に至った

▼自衛隊のシミュレーションの内容を見ると、石川県小松基地や鳥取県美保基地のF4、F1戦闘機が米軍の支援を受けながら高高度で朝鮮領空に侵入、低高度でミサイル基地を攻撃して、また高高度で引き返すというもの。燃料不足になった場合には、南朝鮮駐留米軍基地に降りて給油を受けるという、実際の攻撃そのもののやり方である

▼同時期、こうした計画が存在していたことはすでに一部で報じられてきた。しかし、今回は「(朝鮮の)ミサイルに対処する」と明らかにした。世界的な米軍再編作業の隙間に乗じて、自衛隊を米軍と同等の「軍隊」にして一人歩きさせようとする日本の本心を垣間見る思いだ。(彦)

[朝鮮新報 2005.4.12]