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春・夏・秋・冬

 日本の国連安保理常任理事国入りに思わぬ逆風が吹いている。米国のシリン国務長官上級顧問(国連改革担当)が7日の国連総会での演説で、安保理拡大について期限を設けないよう述べた。アナン事務総長が9月の国連首脳会合前の決着を求めた勧告に、事実上反対するものだ。米国としてはさまざまな議論がある中で、早期実現に「待った」をかけた形だ

▼シリン顧問は、国連改革全般についても、「幅広い合意」の必要性を強調した。言い換えれば、総意がなければ進めるべきではないということだ。中国なども演説で「総意重視」を掲げた。韓国の金三勲国連大使は、拡大案について「成功せず、加盟国間の深刻な分裂を招くだろう」と、事実上反対の意を表明している

▼「独島問題」、歴史教科書問題と、このところ、日本の過去清算に対する対応は、朝鮮半島のみならず、アジア諸国の人々の心を逆なでするものとなっている。一方で、そうした行動に出ながら、安保理常任理入りを目指すというのでは納得されまい

▼日本にとっては、頼みの米国が消極的な姿勢を示したことに、いささか失望感があるのかもしれない。しかし、最近、日米関係がぎくしゃくしているのも事実。周知のとおり、牛肉輸入問題である。米国内からは「経済制裁」論まで飛び出した。先日来日したライス国務長官も、その主な目的は牛肉問題だった

▼話はそれたが、各国の対応を総合すると、日本の安保理常任理入りは総意を得られていないということだ。世界の総意を得る前に、まずアジアの総意を得る必要があろう。(聖)

[朝鮮新報 2005.4.9]