top_rogo.gif (16396 bytes)

春・夏・秋・冬

 朴奉珠朝鮮内閣総理が27日、中国公式親善訪問を終えた。「経済に責任を持つ」内閣総理という職責だけに、今回の訪問を経済的な視点から見ようとするのは当然のことだ。実際、携帯電話製造メーカーや、目覚しく経済的に発展する中国の象徴、上海を訪れるなど今後の朝中交流や朝鮮の政策を考えていくうえでヒントになる材料はあった

▼しかし、それよりも、経済交流、発展を遂げるための前提になる朝鮮半島の緊張緩和、平和維持という観点からすると、胡錦濤国家主席、温家宝総理らとの会談を通じて中国側から発せられた一言が重要であったことに思い至る。「朝鮮半島の非核化」である。この表現自体は何も目新しいものではない。近年、中国政府が堅持してきた路線である

▼日本のマスコミはこの表現を取り上げて、朝鮮に対して核放棄をしなさいという中国側のメッセージだと解釈する。ブッシュ政権の要請に沿って6者会談への復帰を促したのだという。中米共闘である

▼こうした解釈の背景には、1991年に発効している「北南非核化共同宣言」とブッシュ(父親)政権の核撤収宣言の存在がある。だから「核を作らず、持ち込まず、持ち込ませない」に基づいて、核放棄を迫っているのだと

▼朴総理の訪中と同時期、南朝鮮では米軍との間で大規模合同軍事演習が行われ核空母キティーホークなどが投入された。核武装兵力の投入は使用を前提としている。つまり「朝鮮半島の非核化」とは、米国に核を持ち込むな、朝鮮の主張を尊重した対話を促すメッセージと読める。(彦)

[朝鮮新報 2005.3.29]