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今月中旬から始まったライス米国務長官の日本、南朝鮮、中国訪問が終わった。それぞれ首脳と会談し、しきりに2期目の米国の外交政策が第1期目のそれとは「異なる」ことを力説して回った ▼歴訪地でのライス長官の公式発言などを読み比べて見ると、慎重に言葉を選んで波風を立てないよう非常に神経を払っていたことがうかがえる。つまり、例えば中国では本音は披瀝せずに顔見せ外交だけに終始し、現存する超大国と将来の超大国の、パートナーシップの重要性というありきたりの言葉を並べ立てた ▼人民日報の表現を借りれば、ラムズフェルド国防長官やゴス中央情報局局長らの米議会公聴会での「中国脅威論」を払拭して中国の指導部を安心させ、自ら異動させたボルトン国務次官ら「新保守主義」(ネオコン)が幅を利かせていた1期目とは明らかに外交政策の内容が違っていくことを印象づけようとした ▼しかし、「三つ子の魂百まで」というが、そんな一朝一夕に本性は変わるものではない。言いたいことはきちんと日本で発言していた。「アジア太平洋地域で自由の拡大を目指す」「米国は北朝鮮政権の本質を座視しない」「国際化の進む世界で利益を得ようとするならば、中国でさえ最終的には開放され(国民を)代表する政府を受け入れなければならなくなる」(19日、上智大学での演説)と ▼さらに朝鮮を攻撃する意思はなく「主権国家」だと発言したことを受けて、米対北政策に変化の兆し、と見ようとする向きがあるが、逆に実は何も変わっていないことを教えてくれた歴訪だった。(彦) [朝鮮新報 2005.3.24] |