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春・夏・秋・冬

 「臭い物に蓋をする」−醜悪な事実を他人に知られぬように一時的に隠し立てをする(広辞苑)、という意味である。隠し立てをしたところで、いつかそうした事実は白日の下に曝け出されてしまうものである。日本の朝鮮侵略、植民地支配は最たるものだ

▼武力によって不法に朝鮮を植民地とした日本に対し、各階層民衆は1919年3月1日、全土でいっせいに独立をめざして蜂起。圧倒的な日本軍兵力にもかかわらず各地で果敢な戦いを展開した。それから86年の今年、南の盧大統領は記念行事の演説で「過去の事実を解明し、心から謝罪し、反省し、賠償するものがあれば賠償」するよう日本政府に求めた

▼今年は、「韓日条約」締結から50年の節目に当たる年でもある。その再検討見直し、白紙化を求める声が南各界から出ている中での現職大統領の指摘は、「条約」締結に至る不備を念頭に置き、日本政府に過去の清算、謝罪と賠償をあらためて正式に求めたものだといえる

▼この発言に対し、朝日新聞2日付社説は、「北朝鮮の対日非難に通ずるかのような物言いは、日韓関係にとっては逆効果」「いたずらに(歴史の)違いを強調することも賢明ではない」と書いた。800余万人にも達する強制連行、「従軍慰安婦」ら侵略の犠牲者、その癒えぬ傷に今もさいなまれ続けている被害者に対する冒涜であり、怒りが込みあげてくる。社説は社論だというが、同紙の認識はこれほど低次元だったのか

▼日本の過去に対する朝鮮民族の視点には北も南もない。1つであることを肝に銘じるべきだ。(彦)

[朝鮮新報 2005.3.3]