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春・夏・秋・冬

 こうした対応を取るだろうということは、予測の範囲内だった。それは筆者のみならず、2期目に入ったブッシュ政権もそうだっただろう

▼朝鮮外務省は10日の声明(「ピックアップ」欄に全文)で、第2期ブッシュ政権の対朝鮮政策に期待が持てないこと、つまり朝鮮敵視、孤立、圧殺政策に変化がないと判断。6者会談の無期限中断とともに「核保有」を宣言し、「核兵器庫の拡大に着手する」と明らかにした

▼その判断材料としてブッシュの大統領就任演説、一般教書、そしてライス国務長官の連邦議会承認演説などを挙げており、それらの内容を吟味したうえでの決断であることがわかる

▼これらの内容について、日本のマスコミなどは一様に、直接的に朝鮮を非難、批判した部分がなくブッシュ政権が朝・米核問題の対話による解決に本腰を入れ始めた兆候ではないか、と「木を見て森を見ない」ような分析をしていた。そうした彼らにしてみれば、朝鮮外務省声明は「瀬戸際政策」「核価格吊り上げ戦術」としか映らない。しかし、上記演説内容を並べて分析すると、ブッシュ政権の対応に変化がないことがよくわかる

▼「自由の拡大」「民主主義社会樹立への後押し」。これらのフレーズの前には「米国製」という枕詞が付く。ライスに至っては、昨年8月のブッシュ発言そのままに朝鮮を「暴君国家」と呼んだ。「暴君国家を打倒して民主化する」というイラク・フセイン政権を軍事力で踏み潰したそのままの思考だ。「核には核で、誠意には誠意で」。ブッシュ政権はどういうボールを投げ返すのか。(彦)

[朝鮮新報 2005.2.12]