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春・夏・秋・冬

 「専制政治の終えんが究極の目標だ」−20日に行われた2期目の就任演説でブッシュ米大統領はこう言い放った。専制政治とは、支配するものと支配される者が身分的に区別された体制の中で、支配する者が支配される者の意思を考慮せず思いのままに政治を行うことを言う。前近代社会の政体である

▼映画の世界でもあるまいに、ブッシュ大統領、いやこの演説の草稿を書いた側近たちは人類が21世紀に至る歴史の客観状況を洞察、熟慮して「専制」という表現を使ったのだろうか。そうなら傲慢不遜と返さざるをえない

▼ブッシュ政権の思考の根幹が、原理的な宗教道徳に縛られていることは多々、指摘されてきたことである。牧師や神父たちが民に説いて聞かせる式のスタイルを取るのはそのためである。次期国務長官に指名されているライス大統領補佐官は、上院での公聴会で「暴君国家に対する圧力を強めていく」決意を披露した。「暴君」という表現も宗教道徳に支配される思考から出たものであろう

▼数万発の各種類の核兵器を手にすることによって世界に君臨、絶対の権力を手にする米大統領が、個人的な感情に左右されて一国を葬り去ったイラクの事態こそ、「専制」の認識からの発露以外の何ものでもない。つまり「煮て食おうが焼いて食おうが意のまま」ということだ。その矛先が朝鮮、イランなどに向けられていることも示唆した。それも、「必要ならば武力行使も辞さない」と

▼朝鮮が今後も引き続き、「先軍政治」の強化を口にせざるをえない要因がここにある。(彦)

[朝鮮新報 2005.1.22]