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春・夏・秋・冬

 番組制作費の水増し、着服事件などをきっかけに揺れに揺れるNHK。受信料を基に、国会での予算承認を経て運営される「国営放送」だけに、視聴者の不信感は並大抵のものではない

▼これに加えて、ETV2001シリーズ番組(「女性国際戦犯法廷」)制作に「政治」が介入していた事実が、番組担当プロデューサーの告発記者会見で公にされた。すでに、番組制作に全面協力した「女性国際戦犯法廷」関係者らからNHKは、「内容を改ざんした」「被害者の慰安婦たちの名誉を傷つけ」「視聴者に誤解を与え」「報道機関としての自由と責任を放棄した」などの理由で提訴されている

▼「政治」介入の張本人として、番組プロデューサーは安倍自民党幹事長代理、中川経済産業相の両氏を名指しした。両氏、いわずと知れた朝鮮叩きの急先鋒である。感情剥き出しのままに論を展開するその姿からは、識見のかけらさえも窺えない、との評をよく耳にする。両氏は「介入は事実無根」だと、逆に真相解明を要求している

▼今回、両氏の主張はどうあれ、番組制作の事実そのものが制作過程ですでに自民党内部に知れ渡っていたことが明らかになっている

▼自民党はじめ政界の一部に、侵略戦争、朝鮮植民地支配を認めようとせず、「自衛の戦争」だとか「合法」だとか、過去の歴史を正視しようとしない御仁が存在することはよく知られている。それだけに、「国営」のNHKに圧力を加え改ざん要求することなど、赤子の首をひねるほどに簡単なものだ。安倍氏らが要求するように、徹底解明を求めたい。(彦)

[朝鮮新報 2005.1.18]