庭の池に棲む魚よ 誰に追いやられて そんなところにいるの 北海やきれいな水を離れて なぜ こんな小さな池にいるの 一度入り込むと 二度とは出て行けない おまえとわたし 池の魚と わたし宮女
時調集によっては、作者を「宮女」、「内人」、「金尚憲」とするものも。宮仕えの宮女は、死ぬまで王宮を辞する事はできなかった。宮仕えは一見きらびやかに見えても、その内実は王族の奴隷と変わりなく、嫉妬と陰謀の渦巻く過酷なものだった。漢詩にも、宮女の悲しい境涯を詠ったものが数多くある。(朴c愛、朝鮮大学校文学歴史学部非常勤講師)
[朝鮮新報 2005.6.15]