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言葉もなく

 越の国から来た
 十五歳の
 美しい娘は
 恥ずかしさに
 言葉もなく別れ
 家に帰ると
 戸の隙間から
 梨の花陰に見える
 月に向かい涙を浮かべる

 (リム・ジェ、1549〜1587)

 3月は別れの季節。最後まで自分の気持ちを伝えられないまま別れ、切ない後悔に涙を流す少年、少女。心がやわらかかったあの頃を、思い出させてくれる詩である。林悌は朝鮮王朝中期の文臣であり、「愁城誌」、「花史」など漢文小説でも有名。(朴c愛、朝鮮大学校文学歴史学部非常勤講師)

[朝鮮新報 2005.3.30]