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散りゆく花

 昨夜
 この界隈の花が
 一斉に咲いた
 今朝には
 散りゆき
 流れに身を任せる

 人生はまるで
 春のように訪い
 去りゆくもの
 ようやく花開くのを見ると
 またたく間に
 散りゆく

 (シンニョ、生年没日不詳)

 最近、「花びらのように散り行く中で…」と、よく耳にする歌がある。有限な人生の中での、出会いのきらめきを歌い若者に人気のようだ。春、咲いては散る花に切ない想いを抱くのは、古今東西、老若男女に大きな違いはない。ただ、年を重ねるにつれ、切なさは一層募るようではある。春は美しいが、短く儚い。「神女」と呼ばれたであろう作者は、散り行く花に自らの青春を重ねたのだろうか。人生の無常を詠う。(朴c愛、朝鮮大学校文学歴史学部非常勤講師)

[朝鮮新報 2005.3.23]