時を告げる水琴の音に 夜は辛く長い 暖かい爐の残香は燃え 窓は白々と明けるが 鶏は鳴かず 月だけが静かに光る
(キム・サミダン、1769〜1823)
夜通し思い悩むのは、夫や子のことだろうか。我が身の苦しみよりも、愛する者の苦しみは一層辛く悲しい。全羅北道南原生まれ。同郷の河滉(ハ・ファン)と誕生日が同じだという縁で婚姻。夫の科挙―官吏登用試験合格に向け献身的に心を砕いたが、果たせなかったという。(朴c愛、朝鮮大学校非常勤講師)
[朝鮮新報 2005.2.1]