〈担当記者座談会 05年朝鮮半島情勢を振り返るB〉 朝中関係 |
新たな親善段階への契機 新体制後、胡主席が初訪朝 中国の新体制発足後、胡錦涛国家主席の初訪朝が実現するなど、今年は例年にも増して朝中関係の緊密ぶりが目立った。この問題について担当記者が振り返った。 B 10月末の胡錦涛国家主席の朝鮮公式親善訪問は記憶に新しいところだが、このことに象徴されるように朝中関係は活発に動いた。 A 要人の相互訪問だけでも、中国から王家瑞対外連絡部長、唐家璇国務委員、そして10月の朝鮮労働党創建60周年の際には呉儀副首相が朝鮮を訪れた。朝鮮側からは朴奉珠総理、姜錫柱第1外務次官が訪中した。 C 金正日総書記はいずれの要人とも会見した。とくに、王対外連絡部長と唐国務委員は胡主席の口頭メッセージを伝えた。両者の訪朝は朝鮮半島の核問題を話し合う6者会談の再開と密接にからんでいた。 B 王対外連絡部長との会見で総書記は、朝鮮側が6者会談に反対したことがなく条件さえ整えばいつでも会談に出る用意があることを表明した。唐国務委員と総書記との会談では6者会談再開と朝中間の親善協力関係が話し合われた。 C 唐国務委員の訪朝は6者会談の7月末再開発表(7月9日)直後だっただけに、内外の注目を集めた。しかも胡主席の特別代表の肩書きで訪朝したことから、間接的な朝中首脳会談と言っても過言ではない。 A そのような場で6者会談進展の必要性について強調したのは、米国に対して対朝鮮敵視政策の放棄を促すことが朝中の一致した考えであることを示したものだ。 B 事実、6者会談を司会する中国が果たした役割は大きい。総書記も会談再開のために中国の党と政府が傾けた努力について謝意を表した。 A 今年の総決算として胡主席の訪朝があったとも言えるのでは。 C そう言えるだろう。とくに、中国の新体制発足後、初の訪朝だった点に注目している。「朝中親善を新たな段階へと引き上げる歴史的な契機」(労働新聞10月28日付社説)と、朝鮮でも位置づけている。 B 朝中関係は経済分野でも目立った。中国が無償で援助した大安親善ガラス工場は朝鮮労働党創建60周年に際して操業し、操業式には総書記自ら参加したほか、呉儀中国副首相がテープカットに加わった。 A 中国共産党機関紙の人民日報(10月10日付)も「中朝親善の新たな記念碑」と指摘していた。そのほかにも朝中合弁による自転車工場が生産を始めているほか、朝中の会社が共同で運営する普通江輸入物資交流市場も正常に稼動している。自転車工場には総書記も訪れた。 C 近年、朝鮮の経済は中国との関係を抜きにしては考えられない。04年の貿易額は過去最高の13億9千万ドルだった。 A 経済といえば、3月の朴奉珠総理の訪中も見逃してはならないね。訪中には盧斗哲副総理、国家計画委員会の金光麟委員長、林景萬貿易相、金赫鎮農業次官、韓昇俊化学工業次官らが同行した。この顔ぶれを見ても、経済問題が中心議題だったことは想像にかたくない。朝鮮中央通信も「(中国側が)中朝両国間の経済協力を発展させることが両国人民の共通の利益に合致すると指摘した」と伝えている。 B しかも朴総理は、経済成長が著しい上海市を訪問したほか、携帯電話を製造する首信ノキア移動通信有限公司、燕京ビール工場なども参観した。 C 今後も朝中関係は引き続き発展するだろうし、6者会談などでも緊密な協力関係が保たれるだろう。 B 朝中関係に隠れてあまり目立たなかったが、ロシアとの関係も引き続き良好だった。象徴的とも言えるのが、3月8日に総書記が駐朝ロシア大使館を訪問したことだ。この際、プーチン大統領から祖国戦争勝利60周年記念メダルが贈られた。 A そういえば、ロシアの舞踊団訪朝は近年、毎年のように行われているね。8月にはロシア極東連邦管区駐在大統領全権代表のプリコフスキー氏が訪朝したほか、同時期にロシア老兵議会議員代表団も訪朝した。プリコフスキー氏の訪朝もひん繁だ。 C 朝鮮解放60周年をロシアとともに祝った意味も小さくあるまい。 A 朝鮮が伝統的友邦国とも関係を重視していることがうかがえる。(まとめ=文聖姫記者) 朝中関係 主な動き
[朝鮮新報 2005.12.17] |