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京都・ウトロ 同胞住民を支援 募金運動展開

まずは強制執行の不安解消へ

 京都ウトロ地区の同胞住民らは、今も強制執行の不安を抱えながら生活している。そんな中、町内会と支援団体は、まず住民の不安を解消しなければならないと、土地購入のための募金運動を展開している。京都の同胞や日本の市民だけでなく、南朝鮮にも支援の輪が広がっている。京都同胞生活センターでは、住民を支援する募金運動への協力を呼びかけている。

問題の責任は日本に

住民と支援者らは、強制執行に対して最後までたたかう覚悟だ

 ウトロ地区(京都府宇治市伊勢田町51番地)では、日本の植民地支配下で旧日本軍の飛行場建設に従事させられた朝鮮人とその家族らが生活していた。過酷な労働と生活苦に苦しんだ同胞たちの一部は、日本の敗戦後も帰国できず、ここで生活するしかなかった。

 日本が過去の清算の一つとして解決しなければならない問題であることが明白であるにもかかわらず、日本政府は今日まで何ら補償することなく放置してきた。

 住民らの度重なる要望にもかかわらず同地区に水道が整備されたのは1988年になってだ。だが、今でも上下水が整備されていない家もある。台風の被害にも何度もみまわれ、少しの雨で浸水する家もある。

 1988年には地権者が住民の退去を求め訴訟を起こした。住民らの敗訴となった判決は、歴史的経緯をまったく無視した不当なものだった。

「ほかに行くあてない」

 現在、土地の所有権をめぐる裁判が大阪高等裁判所で行われているが、今年8月、現地権者が地区内の土地、建物1軒の引き渡しを求めた。前地権者側が異議申立したことで執行は中止されたが、その裁判の判決が11月9日に下される。

 関係者は「判決次第では問答無用で執行されかねない。予断を許さない状況が続く」と語る。

 ウトロ地区には今も約60世帯200人が生活している。半数以上が高齢者で、無年金状態の同胞も多い。「他に行く所もなく、そんなお金もない」と不安を募らせる住民のなかには、食事がのどを通らない人や寝込んでしまった人もいる。

 総連京都・南山城支部をはじめ支援団体は、「日本政府が一刻も早く対応するよう要求してきた。同時に、いつまでも住民たちを不安のなかで生活させる訳にはいかない」として、広く支援を呼びかけている。

「ウトロを支援する募金口座」
京滋信用組合 本店営業部 普通預金 1140237
京都同胞生活センター カン セスン

[朝鮮新報 2005.10.29]