〈朝鮮統一支持運動第23回全国集会〉 敵視政策を中止、国交正常化実現を |
朝鮮統一支持運動第23回全国集会が22〜23日、沖縄・那覇で行われた。20年ぶりに沖縄で行われた今回の集会では、朝鮮の自主的平和統一の実現とともに、沖縄をはじめとする日本、アジア各国からの米軍撤退を求める運動を推進していくことが共通のテーマとなった。 1日目に行われた全体集会では、槙枝元文実行委員長による主催者あいさつ、島袋宗康元参議院議員による歓迎あいさつ、総聯中央・南昇祐副議長による来ひんあいさつにつづいて朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会・北川広和代表委員による基調報告が行われた。 報告ははじめに、今年の全国集会はここ数年とは違い、6者会談で共同声明が採択されるという希望のあるニュースが飛び込む中での開催となったと指摘した。 また、6者会談が一時中断せざるをえなかったのは、ブッシュ政権の朝鮮に対する敵視政策に原因があると指摘。一方で過去の戦争を正当化する日本政府を批判した。 さらに、日本政府が軍事力の増強を進めて「戦争のできる国」をめざすなかで、「竹島」「靖国神社」、歴史教科書などの問題が相次いで発生したと言及し、これらの問題を通じて、日本政府が侵略戦争、植民地支配を正当化する誤った歴史認識に基づき、ふたたび戦争への道を突き進もうとしていることが明らかになったと強調した。
朝鮮の統一問題については、北と南の民衆たちの間で統一気運が高まっていると述べながら、経済、文化、人の往来、交流によって、民衆レベルでの統一はすでに始まっていると指摘した。 報告は最後に、9月19日に発表された6者会談共同声明に則り、日米両国がこれまでの敵視政策を中止し、国交正常化に進むべきだと主張した。 つづいて、沖縄人権協会理事長・沖縄戦記録フィルム1フィート運動の会代表の福地曠昭氏による記念講演「沖縄の戦後60年、朝鮮の分断60年」が行われた。 夜には懇親会が行われ、参加者は各地の活動状況や情報を交換し合いながら親ぼくを深めた。 2日目には3つの分科会が行われた。 「朝鮮事情と沖縄」をテーマに行われた第1分科会では、金洙燮元総聯沖縄県本部委員長、総聯兵庫県本部・金相行同胞生活部長兼国際部長が報告。朝鮮半島が今でも分断された状態にあるのは、冷戦構造を触発する糸口にするためだということが強調された。また、沖縄の米軍基地、米軍再編の問題点について真しな討論がなされ、朝鮮半島と沖縄は必ず理解し合えるということが強調された。 第2分科会は「日朝友好運動と沖縄」というテーマで行われ、石川元平元沖縄県教職員組合委員長が報告した。石川氏は、沖縄を「沖縄県」として併合していった日本政府のやり方には、朝鮮を侵略したやり方と同じ部分があると指摘した。また、各地の友好運動の実情について報告が行われ、お互いの歴史を知ったうえで友好を推し進めていくことが確認された。 「歴史認識と教科書問題」というテーマで行われた第3分科会では、総聯山口県本部・金静媛国際部長、琉球大学・高嶋伸欣教授が報告した。金国際部長からは、山口・宇部の長生炭鉱についての報告があった。さらに、ここから見えてくる過去清算についての日本政府と自治体の無関心についても提起がなされた。高嶋教授は教科書問題についての報告を行い、「つくる会」の教科書の問題点、教育の重要さについて言及。さらに加害の歴史をいかに伝えるかについてディスカッションがなされた。 集会の最後に「平和のための沖縄アピール」が採択された。(安愛麗記者) [朝鮮新報 2005.10.25] |