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東京で「女性のつどい」 戦争阻止し日朝早期国交を 韓明淑・ウリ党議員が記念講演

東京で開かれた女性のつどい(9月17日)

 「戦後60年を問い、東北アジアと日本の未来をひらく女性のつどい」が17日、東京都港区田町の女性と仕事の未来館で開かれ、在日同胞、日本女性約330人が会場を埋めた。

 まず、開会のあいさつに立った三木睦子・よびかけ人代表が「女性が高い理想を掲げ、信念を貫くのは容易なことではないが、南、北、日本の女性は互いに手をとりあい、東北アジアの平和な未来をひらくために前進して、希望を次代につなぎ運動をつなげよう」と呼びかけた。

 続いて清水澄子・実行委員長があいさつ。「90年代に東京、平壌、ソウルで開催された『アジアの平和と女性の役割』シンポにおいて、南、北、日本の女性の出会いを実現する道を切り開き、戦争のガイドラインではなく女性のピースラインを呼びかけ、2次にわたって日本の女性120人が訪朝し朝鮮の女性たちと交流。日朝平壌宣言にもとづいて過去を清算し、日朝国交正常化を実現させようと尽力した」と指摘した。そのうえで同氏は、「日本政府は戦後60年を経てもなお、侵略戦争、植民地支配の被害者に対する戦争責任、戦後責任を果たしていない」と述べ、「真摯に過去の歴史と向き合い、平和と共生のアジアの未来のために、日朝国交正常化の早期実現をめざしていこう」と訴えると、会場からは割れるような拍手が送られた。

韓明淑・ウリ党国会議員

 つどいでは韓国初代女性長官を務めた韓明淑・ウリ党国会議員が「東北アジアの未来をひらくために」と題する記念講演を行った。

 同議員はまず、日本の総選挙で小泉首相率いる自民党が圧勝した点に触れて「韓国では日本が今後、いっそう右傾化し、首相の靖国参拝が再開され、自衛隊が強化され、憲法9条が改悪されるのではないかという警戒感が強まっている」と述べた。

 さらに、「日本の憲法9条は、アジアに多くの不幸をもたらした日本が再び侵略戦争に手を貸さないと国際社会に向かって表明した約束だ」と指摘し、「その約束を破り、日本が米国と一体となって『戦争をする国』になれば、東北アジアには戦争の危機が高まるだろう」と警鐘を鳴らした。

 また、朝鮮半島情勢に触れて「6.15共同宣言によって、南北関係はとてつもなく変わった。この5年で政治、経済、文化、軍事のあらゆる分野で対話が実現し、南北は平和統一、和解と協力の道を歩んでいる」と強調。「それなのに、日本だけが平和ではなく、戦争の道に突き進んでいる。憲法改悪は日本の国内問題に止まらず、東アジア全体に脅威を与えるもので、国際的連帯行動によって、この動きを阻止すべきである」と力説した。そして、以前の戦争には勝者と敗者がいたが、21世紀の核戦争は、人類が全滅する戦争であると強調し、「力をあわせて戦争を阻止しなければならない」と訴えた。

 つづいて、土井たか子、石毛^子両前衆院議員、内海愛子・恵泉女学園大学教授、櫛渕万里・ピースボート共同代表らによるシンポジウムが開かれた。

 土井氏は「選挙期間中、戦争色が強まる日本の状況を心配する人が多かった。『平和なくして暮らしなし』。戦争に勝つというのは、手段を選ばず、大量殺りくをするということだ。その悲惨さを知っている一人として、不戦と平和の大黒柱として、今後も自由に活動していきたい」と述べた。

 また、内海教授は「日本と南朝鮮は米国の占領下で戦後の歩みをはじめたが、南は長い闘いによって、民主化を実現した。日本は、戦前の政治家が戦後も居座り、A級戦犯だった岸が首相にもなった。米日によって、朝鮮半島の分断が固定化され、朝鮮への植民地支配の責任も、加害意識も追いやられてしまった」と強調した。さらに同氏は「90年代に噴き出した『日本による侵略戦争はなんだったのか』というアジアからの問いに真摯に耳を傾け、アジアと日本の間にある歴史認識の深い溝を埋める努力を一人一人が積み重ねよう」と呼びかけた。

 石毛氏は、「長い間、国会で戦後補償問題に取り組んできた。選挙での敗北は残念だが、今後は院外で政治の変革の力を生み出していきたい」と語った。

 櫛渕氏は、今夏行われた「コリア・ジャパン未来クルーズ」の経験を語りながら、「東アジアの真の平和構築と日朝国交正常化、米朝国交正常化をめざす共同の空間を若者の力で作っていきたい」と力強く述べた。

 つどいでは、アジア女性と連帯する朝鮮女性協会から寄せられたメッセージを金昭子・女性同盟中央委員長が紹介した。

 18日、福岡市でも「女性のつどい」が開かれ、310人が参加した。(朴日粉記者)

「女性のつどい」で行った韓明淑議員の講演

[朝鮮新報 2005.9.24]