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浮島丸事件から60年 強制連行被害者、遺族会が声明 謝罪、補償の実践的措置を

 朝鮮人強制連行者を乗せた船が舞鶴沖で爆沈した「浮島丸事件」60周年と関連して23日、朝鮮人強制連行被害者、遺族協会は声明を発表し、次のように指摘した。

 浮島丸に乗っていた朝鮮人は、日帝に国を奪われ、見ず知らずの異国の地に連れて行かれ、侵略戦争の場や苦役の場で民族的べっ視と奴隷のような労働を強要されたあげく、やっと生き延びた強制連行被害者、日帝植民地支配の受難者である。日帝は、解放された祖国に帰ろうした彼らさえ殺してしまうことで、「大東亜共栄圏」の野望を実現できずに敗北したことに復讐し、彼らが犯した犯罪行為を永遠に埋もらせようとの企みから、このような蛮行を働いた。

 現在、日本には浮島丸事件当時の死者だけでなく、炭鉱や鉱山、軍事基地建設場やダム工事現場などで憤死した朝鮮人強制連行犠牲者の遺骨が、海や廃坑の中にそのまま埋もれており、各地の寺に適当に安置されている。

 日本政府は当然、こうした犠牲者の死亡原因を徹底的に究明し、それについて謝罪し十分に補償したうえで、遺骨を彼らの父母や親族に返すべきだったが、60年経った今でもそれを避けている。

 とくに憤激を禁じえないのは、名古屋市内の遺骨保管所のように朝鮮人強制連行犠牲者の遺骨を、身元確認と遺族への事前連絡もなしに、すべて粉砕してしまったことだ。

 無辜の朝鮮人に苦痛と不幸を強要しただけでなく、犠牲者らの遺骨まで無残に蹂躙し冒とくしたにもかかわらず、そのことに対する罪の意識すらなく、謝罪と補償を回避してきた日本当局の非人間的な行いは、犯罪行為としか言えない。

 朝鮮人強制連行被害者、遺族協会は、数百万人の朝鮮人を拉致、連行し、働かせたあげく、集団的に海に埋没させても、それに対する責任を回避し、すでに解決済みの「拉致被害者」の遺骨問題を掲げ、反朝鮮策動に狂奔する日本当局の行為を、同団体の名で断罪し糾弾する。

 われわれは、浮島丸爆破沈没事件をはじめとする、日帝が犯した朝鮮人大虐殺犯罪を絶対に忘れないであろうし、代を継いで日本の過去犯罪を決算するであろう。

 日本当局は朝鮮民族の意志を正しく見て、朝鮮人民に行った過去のすべての反人倫的犯罪の徹底した真相究明を行い、被害者と犠牲者遺族に心から謝罪し補償するための実践的な措置を一日も早く取らねばならない。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2005.8.27]