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「慰安婦」被害女性ら 問題解決求め内閣府に56万人分の署名提出

 南朝鮮の日本軍「慰安婦」被害者たちが12日、参議院議員会館(東京都千代田区)で記者会見し、「慰安婦」問題など日本の過去の清算を求め、世界各国から集まった署名約56万人分を日本の内閣府に提出し、問題解決を訴えた。「韓国挺身隊問題対策協議会」の代表と日本の国会議員らもともに参加した。さらに同日、東京・表参道のウィメンズプラザで報告集会「『慰安婦』問題の即時解決を!−日本政府は被害者の声に答えよ!−」(呼びかけ=戦後60年 日本軍「慰安婦」問題緊急行動ネットワーク)が行われ、被害者ハルモニたちの被害体験を聞き、問題解決のための話し合いが行われた。(李泰鎬記者)

納得できる解決策を

世界10数カ国から集まった56万人分の署名

 今回提出された署名は、昨年5月にソウルで開催された「日本の過去の清算を求める国際連帯協議会」で提起された、「日本政府が日本軍性奴隷制問題を解決するよう求める支援と連帯のための国際署名キャンペーン」で集まったものの一部。3月には国際労働機関(ILO)事務総長に20万人分、4月には国連人権高等弁務官に40万人分、7月に国連事務総長に55万人分の署名をすでに提出している。北南朝鮮、日本、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、オランダ、アメリカ、スペイン、ポルトガル、フランス、ブラジル、スイス、ドイツなどから集まった。

 さらに、「緊急行動ネット」は「慰安婦」問題の真の解決を求める要請書を提出した。小泉首相にあてられた要請書は、被害女性たちは日本政府から心に届く謝罪を受け、心を癒したいと切望してきたが、それが叶わず多くが亡くなったと強調。国際機関による勧告に真しに従い、一刻も早く「解決促進法」を制定させ、被害者が納得する解決策を講じるよう求めた。

 署名を受け取った内閣府の山田哲範・大臣官房総務課調査役は「謹んでお預かりし、責任を持って総理に届ける」と述べ、被害者たちの訴えもともに伝えることを約束した。

善意が世界の価値観に

体験を語り早期解決を訴える南の被害女性たち

 記者会見と集会には、南朝鮮から被害女性4人が参加した。

 黄錦周さん(83)は、咸興で奉公していた19歳のときに、「一家に一人は行かねばならない」と強要され、主家の娘の身代わりとして吉林付近の慰安所に連行され暴行を受けた。黄さんは「家族を殺すと脅され、お腹も背中もえぐられた。こんな体を前にしても(日本政府は)何も言わない。正しい良心をもって解決してほしい」と訴えた。

 平安北道熙川生まれの吉元玉さん(77)は13歳でハルピンに連行された。光復後、帰国船で仁川に着いたが故郷に帰ることはできなかった。吉さんは「死んで魂になっても謝罪を受けなければならない」と訴えた。

 挺対協の尹順女共同代表は「(署名を見て)世界が一つに、善意が一つの価値観になっていると感じる。世界が一つとして暮らすためにも、日本はまずこの問題を解決してほしい」と述べた。また、尹美香事務総長は「これまで多くの被害者たちが亡くなった。一刻も早く解決しなければならない」と訴えた。

戦後補償立法求めるアピール 「罪認め誇りある行動を」

「慰安婦」問題の即時解決を求める集会(12日、ウィメンズプラザ)

 一方、戦後補償を求める諸団体の代表らは12日、参議院議員会館で記者会見を開き、戦後処理、戦後補償のための立法を求める緊急アピールを行った。

 会見には、「戦後処理の立法を求める法律家・有識者の会」の土屋公献会長(元日本弁護士連合会会長)、韓国・朝鮮人元BC級戦犯者の「同進会」の李鶴来会長らが参加。会見後、緊急アピールを国会議員らに提出した。

 アピールは、衆参両院に「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」など戦後補償に関する法案が提出されたが、いっさい審議、検討されることなく廃案になっていることに、深い憂慮と遺憾の意を表明。被害者の人権救済のため、早急に政治的、歴史的責任を果たすべきだと指摘した。

 「韓国・朝鮮BC級戦犯者の補償立法をすすめる会」の内海愛子さん(恵泉女学園大学教授)は「被害者たちは戦後、援護の対象から外された。必要な時に動員して、いらなくなったら捨てている」と厳しく批判。土屋会長は「『謝罪外交』『自虐史観』などと言う人がいるが、これが最も卑劣だ。罪を認め誇りある行動を」と訴えた。

 ※戦後処理、戦後補償のための立法案 「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案(解決促進法案)」「戦後強制抑留者特別給付金支給法案」「平和祈念事業特別基金廃止法案」「被爆者援護法改正案」「国立国会図書館法改正案(恒久平和調査局設置法案)」などがある。「解決促進法案」は、「旧陸海軍の関与の下、女性に対して組織的、継続的な性的な行為の強制が行われた事実を踏まえ、これを謝罪し、女性の名誉回復のための措置を国の責任で講ずることが緊要な課題だ」としている。2000年に参議院に提出され、翌年から6度にわたって民主、共産、社民党が共同で提出したが、審議未了廃案となっている。

[朝鮮新報 2005.8.23]