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「経済制裁」反対、日朝交渉早期再開 大阪集会

文化交流促進、平壌宣言遵守を

 朝・日国交正常化への希望をもたらした平壌宣言から3年が経とうとする。その間、日本は拉致問題を口実に宣言の履行を実質的に拒否するだけでなく、改正外国為替および外国貿易法や特定船舶の入港禁止に関する特別措置法など、朝鮮に対する「経済制裁準備法」を成立させてきた。一方で、各地で経済制裁に反対する日本市民らの声も高まっている。1日には、「対話で平和を! 『経済制裁』に反対し日朝国交正常化交渉の早期再開を求める大阪の集い」が大阪市の北区民センターで行われた。映画プロデューサーの小林正夫氏、大阪市立大学経済学部の朴一教授がそれぞれ講演した。総聯と市民団体など22の団体と8個人が共同で実行委員会を構成。メンバーを含む参加者たちは、平壌宣言3周年に向けて「経済制裁」反対の声を高めていくため、日朝問題について考えた。(李泰鎬記者)

番組意図の精査を 「視聴率工場の生贄に」−小林正夫氏

 日朝共同での映画制作に携わり、平壌国際映画祭にも参加、映画「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」などの平壌上演も行った小林氏は、訪朝時の体験談を交えながら「映画制作をとおしてみた日朝問題について」発言した。

 小林氏は、テレビ局や番組の実名を挙げながら、朝鮮に関しての真実を報道しない日本のメディアを厳しく批判。政府の発表を断片的、一面的、感情的に報道するものや朝鮮の「体制崩壊」を煽るものが典型的だと指摘した。小林氏によるとその原因は視聴率にある。テレビ局は高視聴率を得るために、「北朝鮮問題が得意な制作会社」に番組制作を依頼し、ほとんど内容や事実関係をチェックしていないという。

 小林氏は「朝鮮は視聴率向上の生贄にされている」と述べ、朝鮮中央放送の映像が無断で使われていることも批判した。

 小林氏は「メディアの主人公」である視聴者が番組の意図を精査する必要があると述べ、「最も効果的なのはメディアのスポンサーに訴えること」だと述べた。

 さらに、朝鮮が1950〜53年の戦争や90年代の「苦難の行軍」を乗り越える際に文化が支えになったと強調し、「文化交流を促進していこう」と訴えた。

「制裁」効果は薄い 「経済改革うまく支援を」−朴一氏

 朴教授は、日本の朝鮮に対する経済制裁の効果≠ェ薄いと指摘した。朴教授によると、朝鮮の対日貿易は70〜80年代にかけて減少し、中国と韓国が対外貿易の7、8割を占めるようになった。「単独での経済制裁は効果的でない」と述べた。日本からの送金や「万景峰92」号の往来を止めることで本当に被害を受けるのは、帰国者やその日本人配偶者たちだと語った。

 また朴教授は朝鮮で近年行われた「経済改革」について言及。商品価格の引き上げ、農作物の買い取り価格の値上げが行われ、実利を追求する成果主義をとるようになるなど、変化が表れていると述べ、「朝鮮の経済改革をうまく支援するほうがいい」と語った。

 平壌宣言を遵守することの重要性も訴えた朴教授は「拉致問題の解決は日本政府の責務だが、同時に強制連行被害者の遺骨を返還する責任もある」と指摘した。

 集会の最後に実行委共同代表の有元幹明氏(日朝国交正常化早期実現を求める大阪府民の会代表)があいさつした。有元代表は「今のままの日朝関係ではいけない。両国の交流を促進していこう」と述べ、9.17集会への幅広い参加を呼びかけた。

[朝鮮新報 2005.7.9]