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日本政府の大罪 遺骨は語る〈2〉 東京・祐天寺

 旧厚生省が1971年、祐天寺(東京都目黒区)に委託し安置されているものと思われていた旧日本海軍軍属の朝鮮人犠牲者の遺骨が偽物で、しかも、A級戦犯が祭られている靖国神社に合祀されていた事実が昨年12月に判明した。

 日本政府は、遺骨の確認のため入国許可を求めた北側遺族の要請を事実上、拒否。遺族の委任を受けた代理人によって事実が明らかになった。

創氏改名されたまま

遺族の代理人が確認しているところ。遺骨は偽者だった

 祐天寺には、浮島丸爆破事件をはじめ、旧日本軍軍人、軍属として犠牲になった朝鮮人の遺骨1136柱が安置されているとされていた。

 日本は48年に、GHQの指令(1947年2月)に従って朝鮮半島出身の旧日本軍軍人、軍属犠牲者の遺骨のうち「遺族が南鮮に在住しているものの分だけ」(約7200柱。9割は位牌のみ)を返還。浮島丸爆破事件などの犠牲者を含む未送還の遺骨2326柱を71年に祐天寺に移管した。74年以降、約1000柱を遺族らが引き取り現在に至る。

 ほとんどは創氏改名された名前のままであり、位牌だけのものも多い。遺骨の数に比べ、遺骨箱の数は極端に少ない。

 昨年12月、北の遺族の代理人が中身を確認したところ、小さな布に「石ころなのか紙くずなのか」(代理人)わからないものだけが入っていた。翌日、厚生労働省が提示した資料「旧日本軍在籍朝鮮出身死亡者連名簿」には、「遺骨」欄に「無」と記載され、靖国神社に合祀されたことを示す印が押されていた。

北には通知すらせず

 日本政府は当初、名簿の存在すら否定していた。だが、実際には65年の「韓日条約」以降、南だけには名簿を渡し、北にはいっさい通知しなかった。日本外務省の外交文書(2000年公開)によると、旧厚生省が遺骨返還の際、日本人に対して支払っていた引き取り費などを「北鮮側が要求しても応じない方針」だった。

 北南両政府と遺族、日本の市民団体が長年、調査と返還、名簿の提示を求めてきたが「厚労省は遺骨がないことを知りながらもそれを隠し続けてきた。その事実が立証された」(調査団関係者)。

 北側遺族の入国拒否、代理人の遺骨確認妨害、最後まで事実を隠し続けようとした日本政府の悪意が浮きぼりになった。

 北の遺族らは「耐えがたい冒とくであり、許しがたい人権侵害である」と厳しく批判している。(李泰鎬記者)

[朝鮮新報 2005.5.10]