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「朝鮮人徴用犠牲者の遺骨返還方針」 強制連行真相調査団がコメント

方途駆使し全面調査を

 朝日新聞の報道によると、「日本政府は第2次世界大戦中に日本企業に徴用、雇用され、死亡した朝鮮半島出身者の実態を把握するため、日本国内の関連企業約100社を対象に調査票を送付、8月をメドに結果を韓国側に伝えることを決めた」。被害者の名簿や遺骨の安置所などについての回答をまとめ、返還などについて調整を進める方針だという。これに対し、朝鮮人強制連行真相調査団は7日、朝鮮人側・日本人側共同でつぎのようなコメントを発表した。

 戦後、60年を迎えやっと日本政府は朝鮮人徴用犠牲者の遺骨調査を行うとした(朝日新聞5/5)。

 朝鮮人強制連行真相調査団は、2003年以降、犠牲者の名簿を南北朝鮮で公開し、強制連行犠牲者の遺骨が放置されている情報を遺族と関係者に提供する一方で、「日本の過去の清算を求める国際連帯協議会」(8カ国)、国連人権委員会等でこの現状を訴えてきた。

 日本政府は、これを契機に可能な全ての方途を駆使し誠実な調査を行うべきである。

 日本政府は今回、調査票を企業100社に送付したとしているが、私たちの調査では少なくとも強制連行企業は約1500社以上となる。「徴用」とは民間独自で行ったのではなく、日本政府が行ったのでありわずかな企業の調査だけで対応できるとは考えられない。

 例えば犠牲者の遺骨は、良心的なお寺に無縁仏として葬られているが、この身元調査は政府が地方自治体に「通達」を出せばすぐ出来ることである。

 次に、調査結果を韓国だけに送るとしているが犠牲者には、南北朝鮮と中国、台湾等が含まれており、どのように遺骨を識別するのであろうか。このような対応では強制連行犠牲者の遺骨まで差別することになる。

 日本政府は過去を誠実に見つめ、被害国との和解と真の友好のための第一歩として可能な全ての方途を駆使し全面的な調査を行うべきである。

2005年5月7日

 朝鮮人強制連行真相調査団
 日本人側事務局長 空野佳弘
 朝鮮人側事務局長 洪祥進

[朝鮮新報 2005.5.10]