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NHK裁判 「女性国際戦犯法廷」番組改ざん控訴審第4回口頭弁論報告集会

 東京高裁101号法廷でNHK裁判第2審第4回口頭弁論が行われた。

裁判の報告をする大沼和子弁護士

 裁判は、NHKが2001年1月に放映した「女性国際戦犯法廷」に関する番組で異常な改ざんを行ったとして、「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW−NETジャパン、共同代表=西野瑠美子)が、放送、製作に関わったNHKなどを相手取り、計2千万円の慰謝料支払いを求めて起こしたもの。

 同日夕方には、東京・池袋の東京芸術劇場大会議室で報告集会が開かれた。

 集会では、弁護団の大沼和子弁護士がこの日行われた裁判の報告をし、西野瑠美子代表が「歴史認識と番組改変」について発言、桂敬一・立正大学文学部社会学科教授(ジャーナリズム論)が「政治とメディアのいま −NHK・ライブドア・持ち株制限違反」について講演した。

 前回(1月17日)の裁判では、当初、結審する予定であったが、1月12日に朝日新聞が女性国際戦犯法廷のNHKの番組改ざんに、安倍晋三、中川昭一自民党議員の圧力があったと報じた翌日、NHKの担当プロデューサーである長井暁さんが、政治介入した政治家の実名を明らかにし、海老沢NHK会長は責任をとってやめるべきだと衝撃的な内部告発をしたことによって、マスコミはこぞってこの問題を取り上げ連日報道される事態になった。

 そのため予定を変更し、秋山寿延裁判長は、政府幹部らがNHKに番組内容の申し入れをしたとされる問題について、双方に主張を尽くすよう求めた。 

 3カ月後のこの日は書面の提出のみが行われた。提出された書面はVAWW−NET側が42枚、NHK側は8枚だった。

 大沼和子弁護士は、「書類をまとめるうえで新しい事実が明らかになってきた」と話し、右翼や政治家の圧力を否定し、それを「編集の自由」とごまかしているNHKに対し、「政治的圧力の前で自ら編集の自由を放棄している」と批判した。

 また、西野瑠美子代表は、10年前の中学・高校歴史教科書に「慰安婦」が記述されるようになったことへの反発から「つくる会」や「若手議員の会」が結成され、その後「女性国際戦犯法廷」が開かれ、昭和天皇有罪判決が下ったと指摘。さらに「外に向けては『反省』し、内に向けては自虐的だという人々の動きにより、愛国心をキーワードに右傾化が進んでいる」と危惧した。

 次回期日は7月20日。同じく東京高裁101号

 法廷で開かれる。(潤)

[朝鮮新報 2005.4.29]