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大阪人権協会主催 民族教育実践セミナー 

「各種」から1条校と同等な待遇へ 根本的解決へ運動推進を

 4.24教育闘争57周年記念「民族教育の権利保障のための大阪実践交流セミナー」が23日、エルおおさか南ホール(大阪府立労働センター)で開かれ、同胞、日本人ら200余人が参加した。在日本朝鮮人大阪人権協会の主催で開催された同セミナーは、大阪における民族教育の現状と、これから解決すべき課題について認識を共有しようと企画された。

上映されたスライドに見入る参加者たち

 セミナーではまず、「大阪における民族教育運動とその成果」がスライド上映された。朝鮮学校に対する日本当局の差別との闘いの歴史とともに、「民族教育が何人も侵すことのできない神聖な教育」であることを訴えた。

 大阪人権協会の蔡正洙会長のあいさつに続き、金東鶴・人権協会中央本部理事が基調報告を行った。「民族教育の権利の現状と解決すべき問題」と題した報告で金理事は、権利獲得運動を通じ、日本社会で朝鮮学校に対する理解と処遇改善が進んできたことを指摘する一方で、いまだに残る朝鮮学校差別について言及。

 「90年代から多くの民族教育権を勝ちとってきたが、根本的解決を目指すには各種学校としての扱いではなく1条校と同等な待遇を受ける学校として認めさせる運動を推し進めていかなければならない」と強調した。

 そして、国連人権委員会の勧告などをあげながら「どこの国でも民族教育は認められるべきであり、侵害されるべきものではない」と語った。

 つづいて、龍谷大学の田中宏教授が特別講演を行った。田中教授は、朝鮮学校差別は「国家権力による虐待」であると指摘し、朝鮮学校が1条校と同等な扱いを受けるための具体的な取り組みについて語った。

 そのなかで、税法上の優遇措置について田中教授は、03年3月に改正された法人税法、所得税法の各政省令により、「初等教育又は中等教育を外国語で施すことを目的として設置された各種学校」という概念がはじめて登場したことに言及。私立学校振興助成法の適用を受けるため、この省令改正を手掛かりにすべきだとし、税金を納めている者は、居住者として内外人平等に扱われなければならないと語った。

 セミナーでは、「堺市議会における民族差別発言をただす会」の小仲久雄代表、八尾柏原同胞生活相談センターの鄭豊和所長が地域からの報告を行った。

 最後に「チョソンハッキョを楽しく支える生野の会」のながさき由美子代表があいさつし、子どもの安全を行政に訴えていく必要性と日本社会との交流の大切さを強調した。また、3月末からスイス・ジュネーブで行われた国連人権委員会に総連代表団として参加した劉由子さん(留学同大阪)が感想などについて語った。(鄭茂憲記者)

[朝鮮新報 2005.4.28]