top_rogo.gif (16396 bytes)

歴史の教訓を後世に 南朝鮮と沖縄に「恨之碑」

 05年夏の完成をめざして沖縄はじめ全国各地で、「太平洋戦争・沖縄戦被徴発朝鮮半島出身者恨之碑」建立の運動が進められている。北九州で発行されている「パトローネ」(61号)で詳しく報じられている。

 建立の場所は沖縄。98年に運動が始まったとき、「恨之碑」は、南朝鮮に1基、沖縄の座間味村阿嘉島と宮古島平良市にそれぞれ1基の計3基の計画だった。その後、沖縄の2基を1基に統合することに変更された。つまり、南と沖縄に向かい合う形で同一の碑を1基ずつとの構想である。

 幾多の悲劇を生んだアジア太平洋戦争。しかし、沖縄に数千から数万人が強制連行されたといわれる朝鮮人軍夫の存在と悲劇は、今なお闇に埋もれたまま。彼らは丸腰のまま敵襲にさらされ、食料も満足に与えられないまま、港湾荷役や武器、軍需物資の運搬、掩壕掘りなどに従事させられた。そのなかで多くが戦死し、餓死し、さらに「スパイ」「軍紀違反」の名目で日本軍に処刑された者は数知れない。しかし、このような事実は公式の記録にほとんど残されていない。日本政府はいまだに朝鮮半島から沖縄戦に何人動員し、何人死傷させたのか、誰が戦没し、誰が生還したのか、これらの事実を隠蔽したままである。

 碑の制作は沖縄・読谷村在住の彫刻家・金城実さんが引き受けた。ブロンズのレリーフは、横2メートル、縦2.5メートル。朝鮮人軍夫が目隠しされ、後ろ手に縛られて、日本兵に銃床で殴られ、引き立てられている。その凜とした姿を映し出す。またそれを引き止めようと息子の足に取りすがるオモニの姿。レリーフは日本の侵略と加害の実態を浮き彫りにする。

 碑の除幕式の予定は8月10日。建立には1000万円のカンパが必要。カンパの送り先。(郵便振替=名義「恨之碑建立をすすめる会沖縄」口座番号01730−6−114356)

[朝鮮新報 2005.4.13]