朝鮮人強制連行調査団代表 国連人権委で発言 総連副議長ら国際赤十字に協力要請 |
【ジュネーブ発=李泰鎬記者】国連人権委員会出席などのためスイス・ジュネーブを訪れている朝鮮人強制連行真相調査団朝鮮人側中央本部団長の高徳羽・総連中央副議長兼同胞生活局長と国平寺(東京都小平市)の尹碧巖住職らが5日、国際赤十字を訪れ、東南アジアおよび太平洋局長らと面会し、強制連行による朝鮮人犠牲者の遺骨問題での協力などを求めた。また、国連欧州本部で行われている国連人権委員会では、調査団の代表(IADL=International Association of Democratic Lawyers=代表資格)が同日、遺骨問題について発言した。 「万景峰」運航にも
高徳羽団長ら代表らは国際赤十字東南アジアおよび太平洋局のエディス・ベリジール局長、バーバラ・アムスタッド副局長と面会し、朝鮮人強制連行真相調査団の朝鮮人側、日本人側共同名義の要請文を提出した。 要請文は、日本の植民地支配下で強制連行され犠牲となった朝鮮人の遺骨数万柱が日本各地に放置されているが、日本政府は約60年間、何ら返還のために努力していないと指摘。日本政府と日本赤十字が人道的な観点から全面的に調査し、遺族に連絡し、また国際赤十字が作成し日本政府に提供した捕虜名簿を朝鮮政府にも提供するよう促すことを求めた。 席上、高徳羽団長は、ゴミのような扱いを受けている埼玉・金乗院の遺骨の写真を見せながら、遺骨問題は現在形の問題であり、人権に関する問題、人道的な問題だと強調し、一刻も早く遺族のもとに返還しなければならないと述べた。
尹碧巖住職は、遺骨が日本にあることを知らない遺族たちも多く、これ以上、遅らせることのできない問題だと述べた。 ベリジール局長は詳しく質問しながら、要請について理解を示し、赤十字本部に通告し、日本赤十字と協議すると述べた。 また、高徳羽団長は「万景峰92」号の運航についても言及。これまで一度も事故を起こしたこともないのに、日本政府は在日同胞の祖国への自由な往来の権利を侵害していると指摘した。 過去清算で集会 国連人権委員会第61回会議の議題11「(諸問題を含む)市民的および政治的権利」において、調査団の代表がIADLの代表資格で発言した。この問題が同委員会で提起されたのは初めて。 遺骨問題における日本政府の不誠実な対応を批判し、日本政府が国家的な責任を認め、犠牲者と遺族たちに正式に謝罪、補償し、調査、返還のために誠意を持って応じるよう訴えた。 また、総連代表団は同日、同本部内の会場で日本の過去清算に関する集会を開き、被害者の写真パネルなどを展示しながら、日本軍「慰安婦」問題と遺骨問題を含む日本の過去の罪行を暴露し、日本政府の不誠実な対応を非難した。 [朝鮮新報 2005.4.12] |