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若い世代中心に総連代表団 国連人権委で問題提起

日本の過去清算など国際社会に広く訴え

 総連代表団がスイス・ジュネーブで開催中の国連人権委員会第61回会議に出席し、日本の過去清算と在日同胞の民族教育権問題に関する日本政府の責任を明らかにし、不当な対応を改めるよう国際社会に訴える活動を行う。朝鮮人強制連行真相調査団朝鮮人側団長の総連中央・高徳羽副議長兼同胞生活局長を団長とし、国平寺(東京都小平市)の尹碧巖住職、調査団朝鮮人側の洪祥進事務局長と人権協会、青商会、朝青、留学同の各代表らが参加する。

北南、海外で日増しに高まる声

国連人権委員会で報告するクマラスワミ氏(左から2番目、2003年3月、スイス

 14日から開催されている国連人権委員会で朝鮮代表は、日本が過去の犯罪行為の法的責任を認め、誠実な謝罪と補償を行うよう何度も要求している。だが、そのたびに日本は過去の歴史に目を向けず、すでに解決済みの拉致問題に再三言及し、「反論」している。

 「乙巳5条約」のねつ造から100年、日本の敗戦から60年を迎える今年、日本はいまだ自らの犯罪行為を悔い改めず責任回避に奔走している。

 日本は、朝鮮固有の領土である独島に対して「領有権」を主張し、過去の侵略と支配を正当化しており、自衛隊の海外派遣に向けて法整備を進めるなど、再侵略の野望を露骨に表している。

 日本の保守勢力によるたび重なるこうした動きに、北南朝鮮と海外各地で日本の過去清算を求める声が日増しに高まっている。

 朝鮮外務省は年初に声明を発表し、日本の対朝鮮敵視政策について批判し、敗戦60年を迎える今年、朝・日平壌宣言の精神に基づいて過去清算のための決断と実践的措置を迅速に講じるよう訴えた。

 盧武鉉大統領は、独島問題と歴史教科書問題と関連した発言の中で、日本は侵略と支配の歴史を正当化していると批判し、過去の罪行についての真相糾明と心からの謝罪などを求めた。

 総連は過去何度も日本軍「慰安婦」問題と民族教育権問題を国連で提起してきた。今回は若い世代を中心に各界各層が参加し、これまでの中でもっとも大きな規模で活動を行う。

−代表団の活動内容(予定)

日本軍「慰安婦」問題

 1996年の国連人権委員会で提出され、各国政府の支持のもとに採択された「女性に対する暴力」特別報告者のラディカ・クマラスワミ氏の「戦時における軍事的性奴隷制問題に関する報告書」は、日本が法的責任を認め、公式に謝罪するよう勧告している。また、法的問題解決のため、国際司法裁判所での解決案についても言及している。

 これに基づき代表団は、責任回避しようとする日本の法的責任を明確にし、各国政府と非政府団体に呼びかけていく。約50カ国から集まった100万人分の署名も提出する予定だ。

強制連行被害者の遺族問題

 植民地支配下で日本に強制連行された数十万人の朝鮮人犠牲者の遺骨が、祖国光復から60年が経とうとする今も、ゴミのような扱いを受けて日本各地に放置されたままとなっている。代表団はこの問題を国際舞台で暴露し、日本政府が心から謝罪し、政府の責任の下ですみやかに調査、収集、返還するよう、国際赤十字社に問題提起するなど参加各国代表と関係者らに呼びかけていく。

民族教育権問題

 総連の各界各層代表らは、1990年代からさまざまな場で民族教育に対する日本の差別問題を提起してきた。以降、子どもの権利委員会、人種差別撤廃委員会、社会権規約委員会などが重ねて日本政府に差別の是正勧告を行った。今回は初めて人権委員会の場で問題を提起。日本政府の民族差別の不当性について訴え、改善を求めていく。

[朝鮮新報 2005.3.29]